言葉と技を駆使して
こんにちは、副住職です。
気が付けば、もう5月も終わりですね。
私はちょっとばかり花粉症なのですが、いつも5月の連休明けくらいまでかなり症状が出てしまいます。
下旬になってやっと落ち着いてきて、もう少しだなぁと外出するたびに思います。
なんだかんだんと今の時期は気持ちのいい季節と思っていますが、皆さんはいかがお過ごしですか。
さて、ここ何回か、この西岸寺通信では布教ということで少しお話ししました。
その中で、私は布教の勉強のために京都で半年間の合宿生活をしていたとお話ししましたが、そこでの講義で「布教の定義」というものを次のように教えていただきました。
「布教とは宗教的真理を言葉と技を駆使して伝達弘布すること」
あらためて文字で書くと堅苦しいですね。
宗教的真理というのは私たちにとっては「阿弥陀さまの救いのお用き」のことですが、親鸞聖人は阿弥陀さまのお用きのことを「仏智不思議」というお言葉でお示しくださっています。
「仏智」とは仏の智慧、まさに救いのお用きのこと。
「不思議」という言葉は元々は仏教用語の「不可思議」の略語なのですが、私たちもよく使いますね。
言葉にできず、考えも想像もできないことや説明のつかないことのことを表します。
阿弥陀さまの救いのお用きは私たちの思いや計らい、分別を超えているものである、ということを「仏智不思議」というお言葉で表してくださっているのですね。
その宗教的真理をさまざまな方法を使って弘めていくこと、これが布教なんだよ、ということです。
このホームページも布教のひとつの方法なのですが、お参りに伺うと以前にもまして「ホームページ見ましたよ」と言ってくださる方がいて本当にありがたいことです。
これだけインターネットが普及している時代では、こういったホームページでの情報発信はとても大切だと思っていますのでもっと力を入れていきたいところです。
ただやっぱり弱点もあると思っていて、それは「インターネット上の情報は積極的に探しにいかないと入手できない」ということです。
例えば、この西岸寺のホームページを見てくださっている方はおそらく「近所でお寺がないかな」ということであったり「浄土真宗というのはどんな教えなのかな」というような情報がほしいということでインターネット上を探してくださったのだと思います。
どのようなきっかけや理由かは分かりませんが、お寺に興味を持ってくださって、その情報が知りたいと思っていて、そして、それをインターネットで見つけることができた方なんですよね。
でも、何かお寺や仏教に関して知りたいことがあるのにインターネットで探すことができない方に情報を届けるためにはどうしたらいいのか、考えています。
まだまだスマートフォンを使っていない方もいますし、パソコンでもインターネットを使わない方もたくさんいらっしゃいます。
そして、そもそもお寺や浄土真宗に興味がない方にはどうやって情報を届けたらいいのか。
いくら来る者は拒まず去る者は追わずといっても、今までまったくお寺にご縁がなかっ方にも少しくらい興味を持っていただきたいし、せっかく興味があるのにインターネットを使っていないから情報が届かない、そんな方々にお寺としての情報を届けるにはどうしたらいいのかな、とそんなことを考えて、今度は寺報を作ってみたいと思います。
寺報というのは、とても大雑把に説明すると「お寺の新聞」です。
お寺でのできごとや浄土真宗についてなど、情報をインターネット上ではなくて紙を媒体として配布させていただくものになります。
調べてみると個性的なものやいろいろな工夫があるものなど、多くのお寺で寺報は配布されていることが分かりました。
デザイン的にも押さえておかなければいけないポイントがいろいろあって、ホームページとはまた別物ですね。
なかなかハードルが高いので悩んでいたら、いつもお世話になっている稱名寺の副住職から「そんなときはこの本を読んでみるといいですよ」とアドバイスをいただきました。
『伝わるデザインの基本 増補改訂版 よい資料を作るためのレイアウトのルール(著者:高橋佑磨/片山なつ 発行日:2016年8月6日 出版社:技術評論社)』
私は自分でホームページを作ったりしているのですが、デザインについてはきちんと本などを読んだりしたことがなかったのでとても参考になります。
もちろんデザインよりも内容が大事ですので、寺報ならではの、どういった情報を発信していこうか考えているところです。
せっかくなのでホームページとはまた違った視点の情報を発信できればいいな、と思っているのですが「その前にまず、この西岸寺通信の更新頻度の低さをなんとかしろ」という心の声が聞こえてきます。。。
でもとりあえず行動を起こさないと始まらないので、寺報についても具体的に動いていきます。
また何か進展がありましたらご案内させていただきますので気長にお待ちいただけるとありがたいです。